よくあるご質問

電動カートに屋根を付けることはできるのか
 上記の道路交通法施行規則には、電動カートに屋根を付けてはならないという内容は記載されていないので、屋根を付けることはできます。しかしながらその屋根を含めた車両の高さは109センチメートル以下と定められており、高さが低すぎて電動カートに屋根を付けて運転することは実用上は不可能です。電動カートに傘などを取り付ける場合もこの規則が適用されるため、電動カートに傘などを取り付けた状態での公道走行もできません。

電動カートの所管官庁と関連団体
 電動カートの所管官庁は、道路交通法を所管する警察庁です。また、公益財団法人日本交通管理技術協会が警察庁の指定を受けて、電動カートの車両の審査、型式認定およびTSマークの発行等を行っています。
 また、電動車いすの普及と安全な利用を促進することを目的とした民間事業者の団体である電動車いす安全普及協会があります。

電動カートを運転できる人
 道路交通法施行規則で規定されている基準を満たす電動カートであれば、誰でも公道を運転できます。足の不自由な方はもちろん、高齢者でも子供でも、健常者でも誰でも免許不要で運転可能です。
 
電動カートを運転できる場所
 電動カートは道路交通法により歩行者として規定されているため、歩道を走行しなければなりません

電動カートの運転の仕方
 電動カートの運転は簡単です。一般に、ハンドル近くのアクセルレバーがスイッチとなっており、これを握る(または指で押す・引く)ことで車両が前進します。ブレーキはモーターに電磁ブレーキが内蔵されており、アクセルレバーを離すと自動でブレーキがかかり、坂道でも後ろにずり下がったりしません。スピード調整はスピード調整ボタンで行います。バックする際は、前進/バック切り替えレバーもしくはバック用のレバーによりバックします。
 
電動カートのバッテリー
 電動カートのバッテリーは鉛バッテリーが一般的ですが、一部にリチウムイオンバッテリーを搭載しているものもあります。12Vタイプのバッテリーを2つ直列して24Vとして使用するのが一般的です。

電動カートの登坂力
 電動カートの登坂力(登れる坂道の角度)は、8~10度程度の角度の登坂能力が一般的です。実際に電動カートを運転すると、10度程度の坂道でも結構きつい傾斜を感じますので、これ以上急な坂を上れる力があったとしても、不安定になるので運転するにはやや危険です。

電動カートは危険な乗り物か
 交通ルールを守って正しく運転すれば、危険ではありません。自転車やバイクは2輪で不安定であり、また「車両」に区分されるため車道走行が原則なので、 高齢者にとって安全な乗り物とはいえません。電動カートは4輪で安定しており、速度も遅く、歩道しか走行できないため、高齢者にとって自転車やバイクよりも安全な乗り物であるといえます。
 十数年前に、電動カートで走行中の高齢者が踏切を横断中に溝にタイヤを取られ、動けなくなって電車にひかれて亡くなる事故が発生し、社会問題となったため 「電動カートは危険」という印象を持つ方が少なくありません。このような事故が全国ネットで報道されることで「危険な乗り物」というイメージを持たれることが原因のようですが、実際には自転車やバイクを運転中に亡くなる方のほうが圧倒的に多いのです。
 一方、最近では高齢者が運転する自動車が高速道路を逆走したり、アクセルとブレーキを踏み間違えて店舗に突っ込んだりする交通事故が社会問題となっています。これは高齢者が加害者となって他者に危害を及ぼすケースです。自動車による事故は人身事故・物損事故ともに重大な事故を引き起こす危険性が高いため、高齢者自身の判断だけでなく、家族など周囲の人からの勧めで運転免許を返納し、公共交通機関の利用したり、電動カートなどの安全な乗り物で移動するほうがよいでしょう。