電動カート(シニアカー)とは?

 高齢者や足の不自由な方など、歩行に障害のある方の移動を補助する電動の乗り物を一般に「電動車いす」と呼びます。「電動車いす」のうち、ハンドルで操作して運転する車いすを「ハンドル付き電動車いす」または「電動カート」と呼びます。主に高齢者を対象とした乗り物であることから「シニアカー」とも呼ばれています。

電動カートの法的な位置づけ
 電動カートは、道路交通法において「身体障害者用の車いす」として規定されており、基準に適合する電動車いすの利用者は歩行者として扱われます

道路交通法
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
・・・(中略)・・・
3 この法律の規定の適用については、次に掲げる者は、歩行者とする。
 一 身体障害者用の車いす、歩行補助車等又は小児用の車を通行させている者

 この項において「身体障害者用の車いすを通行させている者」(=電動カートを運転している人)を歩行者とすることを規定しています。


電動カートの大きさ・速度
 電動カートは「身体障害者用の車いす」の中でも「原動機を用いるもの」に該当するため、内閣府令で定める基準に従った構造・性能でなければなりません。

道路交通法施行規則
(原動機を用いる歩行補助車等の基準)
道路交通法施行令(昭和三十五年政令第二百七十号。以下「令」という。)
 第一条
 一 車体の大きさは、次に掲げる長さ、幅及び高さを超えないこと。
  イ 長さ 百二十センチメートル
  ロ 幅 七十センチメートル
  ハ 高さ 百九センチメートル
  二 車体の構造は、次に掲げるものであること。
  イ 原動機として、電動機を用いること。
  ロ 六キロメートル毎時を超える速度を出すことができないこと。
  ハ 歩行者に危害を及ぼすおそれがある鋭利な突出部がないこと。
  ニ 歩行補助車等を通行させている者が当該車から離れた場合には、原動機が停止すること。

 この項において「原動機を用いる歩行補助車等」(=電動カート)の基準が規定されており、車体の大きさや最高速度などが定められています。この基準に合致しているかどうかは公益財団法人日本交通管理技術協会において審査され、基準に適合した車両は型式認定を受け「TSマーク」が付与されます。